Lessoo1 逢
新しい出発
第10話
ジリリリリリ
けたたましい目覚ましの音。
あたしは半分寝ぼけたまま、枕元に手をのばす。
窓からは、クリーム色のカーテンを通して、朝の光が差し込んでいる。
「あぁ…、起きなきゃ…」
あたしはゆっくりと起き上がり、 ベッドを軽く整えた。
真新しい制服に着替える。
白いブラウスに黒のプリーツスカート。
襟元に鮮やかな色合いの 大きな赤いリボンを結ぶ。
今日から中学生。
ついこの間までランドセルをしょっていたのに、
今日からは クラシカルな雰囲気の制服を着て学校に行く。
何となく不思議な感じだ。
「美奏ー❗ 早く起きなよ❗」
『はーい』
お母さんの声に、
あたしはあわててバッグと黒のブレザーをつかむと、
小走りにダイニングへ向かった。
『お母さん、おはよう』
「おはよう。よく眠れた?」
お母さんはもう出かける支度をほぼ終えたみたいだ。
バッグの中を点検しながら、あたしに問いかける。
『緊張して なかなか眠れなかったよ』
あたしはごはんに手をのばしながら答えた。
「大丈夫? 頑張るんだよ」
『うん』
「お、 美奏 おはよう。
制服、よく似合うな」
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