授乳
今日も今日とてってやつ。
ケイさんは興味ないくせにちょこっと私の近状を聞いて、男の影を探す。
けど、いないってことを素直に伝えてもケイさんは振り向いてくれなさそうだから私は嘘の遊んだ記憶を吐き出して少し嫉妬を煽る。
するとケイさんはちょっと間を置いて相槌を打ち、何かをぼーっと考えるのを繰り返す。
きっと私がヤリマンだと思ってこの関係を切るか、それともプレイ内容を濃くするかを考えてるんだろうと思うけど、何かを考えているケイさんはずっと私の手を握り親指で手の甲を撫でてくる。
それが私に対しての『好き』を感じてどうしても終止符を打ちそうな嘘をつけないでいると、ベッドの上のケイさんは裸の私に抱きつきよく冷える部屋で体を温めてくれる。
これだけで嬉しくなっちゃう私って本当に都合のいい子だよなぁと1人考えていると、ケイさんは私にのしかかりながらタバコと灰皿を取り、布団越しに私のお腹の上に置いた。
優愛「…タバコ吸うの?」
私はいつも一緒にいる時には吸ってなかったタバコを口に咥える見たことないケイさんを見て思わず聞いてしまった。
ケイ「吸うよ。 最近忙しいし。」
そう言ってケイさんはタバコに火をつけ、天井に向けて煙をゆっくりと吐いた。
優愛「スーツは就活?」
私は姿見にかけられているスーツを目で指して聞いてみると、ケイさんは軽く頷いてまたタバコを味わう。
それほどタバコは自分の気が紛れるものなのかと、私はまだ手を出していない成年特権をちょっとだけ試させてくれないかケイさんの持っているタバコをじっと見ていると、ケイさんはタバコを半分吸い終わってやっと視線に気がついた。
ケイ「吸ったことある?」
優愛「ないよ。」
私は白波さんのようにまた少し貰えるかなと期待の目をして待っていると、ケイさんは燃え殻が落ちないようにタバコを灰皿に置いた。
ケイ「じゃあずっと吸わない方がいいよ。体に悪いから。」
じゃあなんで吸うの?
そう聞こうとしたけれど、ケイさんはまたタバコを口にしてため息をするように煙を吐く。
優愛「でも美味しいんでしょ?」
私は聖さんが言っていたことを思い出し、そう聞いてみるとケイさんはピクっと一瞬眉を上げた。
ケイ「なんでそんなこと知ってるのかなー。悪いお友達が多いのかなー。」
と、ケイさんは私の頭を撫でながら赤ちゃんをあやすように声を2トーンくらい上げた。
そんなSレア級のケイさんを見れて私はなにも答えられずにいると、ケイさんはまたタバコを吸って火を消すと煙を口から漏らしながらキスをしてきた。
私はケイさんと初めて苦いキスをしていると、ケイさんはいつもより顔を歪めてしまう私を見て笑い、灰皿をガラステーブルの下に戻した。
ケイ「不味いって顔で言ってるよ。美味しいのあげる。」
そう言ってケイさんはテーブル上に置かれていたいちごみるくを取り、自分の口にちゅるっと入れると私の口を人差し指でこじ開けた。
私はいつものよだれを貰うように軽く舌を出し、ケイさんの甘い体液を待っているとケイさんはとても慣れているのか蜘蛛の糸のように細い線を作って私の中に自分の好きなものを流し込んでいく。
それを1口分やり終えるとケイさんは私が全て飲んだかをしっかり確認するように舌で口の中を漁り、そっと顎に手を添えて私の口を閉じた。
ケイ「口寂しくなったらいちごみるく。これからずっとだよ。」
優愛「…うんっ。」
私はすでにそうなってしまったいちごみるくをケイさんにまた分けてもらい、やっと楽しいと思えた夏休みを過ごせた。
環流 虹向/愛、焦がれ
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