第12話

「えっと…、麻耶ちゃん、横断歩道で男性とぶつかって転んだんです。


俺はたまたま近くにいて…。



歩けない、と言うので、とりあえず横断歩道は渡したんですが、抱きついたまま離れなくて…。


今は、ココアを買いに3台の自動販売機の近くにいます。



眠っちゃっているので、良ければ迎えに来て貰えませんか?」



『えっ!

本当にすみません!


すぐに向かいます!』




どうやら、自動販売機の位置はわかるらしく、そのまま電話は切れた。



寒そうにしている麻耶ちゃんが可哀想で、風が当たらないようにちゃんとブレザーで包まれているかを確認しながら抱きしめた。

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