第11話

彼女のポケットからピンク色のジュニア携帯がはみ出ているのが見えた。


「麻耶ちゃーん…。

俺出ちゃうよー…?」




声をかけたが、起きる気配は全くと言っていいほどない。



携帯電話を取り出して見てみると、



『着信:お姉ちゃん』



と、探していた人物の名前。




通話ボタンを押すと、

『麻耶!アンタ、今どこにいんのよ!』



俺が話す前にいきなり怒鳴り始めた。



「あのー…」


『はっ!?

…どちら様でしょうか。


麻耶はどこにいますか?』



俺の声に、落ち着きを取り戻したようだ。




どこから説明していいかわからず、とりあえず考えながら話し始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る