第10話

どうしよう。

家が近いから、このまま連れて帰っても俺は問題ないが、軽く誘拐になってしまう。



とりあえず、麻耶ちゃんが言っていたココアを買ってカバンにしまう。




さて、この後はどうするか。


なんて考えながら、辺りを見回していると。




ピリリリリリリリッ




どこか近くで携帯電話が鳴った。


びっくりしてしまい、手元が緩みかけて焦った。



音でかいな、なんて思っていると、固まった。



あれ、麻耶ちゃんから鳴ってないか?



耳を澄ます。










――やっぱりそうだ。

俺が抱える、この子から鳴っている。

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