第9話

ゆっくりと顔を覗き込むと、静かに寝息をたてる麻耶ちゃん。



あぁ、やっぱり。


寝るの早すぎるよ…。




ココアを買ったらお姉ちゃんの所まで送るつもりだったのに、寝てしまったから場所が聞けない。



どうしよう、なんて思っていると、麻耶ちゃんは寒そうに体を縮こまらせた。



恐らく、俺と会うまで車に乗っていたからか、よくよく考えてみれば麻耶ちゃんはかなり薄着だ。



急いで自動販売機の前にカバン立て掛けて、麻耶ちゃんを落とさないようにブレザーを脱いでいく。




そして、彼女を包むようにブレザーを体に掛けて抱え直した。

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