第5話

「帰れない…」



何か刺激を与えたら泣いてしまいそうだ。


どうするべきだろうか。

全くわからない。



「家は、この近く?」



「ちがう。車で来た」



あれ、それって迷子ってことか?


でも、横断歩道を渡ろうとしてたってことはどこかに向かう途中だったのかもしれない。


「どこに行こうとしてたの?」



片手で抱えるのはさすがにキツくなってきて、カバンを地面に置いて抱えて尋ねる。



「ココア買おうと思って…」



そう言って、指さす先には3台の自動販売機があった。


信号から100メートル程離れていて、この子の身長だとここからは見えない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る