第6話

「じゃあ、ココア買いに行こうか」


「うん」




未だにギュッと抱きついたままの麻耶ちゃんは、さっきよりは声が明るくなっていた。



カバンを持って抱え直そうとしたら、膝を擦りむいていることに気付いた。


「麻耶ちゃん、ちょっと待ってね」



ゆっくりと腕を外しながら、カバンからバンドエイドを取り出して貼り付ける。




よく怪我するから、いつも持ち歩いているのだ。



麻耶ちゃんは、貼ったことを確認するとまた抱きついてきた。



なんだか可愛くて、とりあえず抱えてカバンを持って歩き出す。


「おんぶしようか?」


「これがいい」



別に問題は無いのだが、尋ねてみた。




まさかの即答で、びっくりしながら歩いた。

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