第11話 勘違いからの戦闘



「待って待って待って!え!どうゆう状況!?」




俺に前に現れた冒険者達の2人は俺へと武器を向けて今にも襲ってきそうな様子だ。




「魔王!!やっぱりこのダンジョンに【イレギュラー】がいたか!!」



「イレギュラー!!おお!初めて遭遇したよすげー!!」



「俺がイレギュラー!?違う違う!!俺は人間ですよ!!」




【イレギュラー】とは突然変異したモンスターや何処から出没したのか分からないモンスターについてそう呼ばれたりする。

特に【魔人】というモンスターは最低Aランクの強さを誇るモンスターがいるが、その魔人は何処にでも出没する可能性があり、そしてその魔人は出没したダンジョンのモンスターやボスを倒してしまう場合があるのだ。





「問答無用!!【獅子王紅蓮】!!」




「おい!まじかよ!?話ぐらいちゃんと聞いてくれ!」




ここで冒険者達の風貌について説明すると、俺に話しかけてきた1番まともそうなのが茶髪でロン毛の何処にでもいるようなお兄さん。

そして警戒心が1番薄そうなお兄さんはショタ。


俺にハサミの片方の刃みたいなのを向けてくるお兄さんはスキンヘッドのヤクザみたいな顔をしていて、そのヤクザハゲが俺に攻撃を仕掛けてきた。


刃が一瞬揺らめいたかと思うと、炎のオーラが解き放たれ、猛獣のような速度でこちらに飛びかかってきた。そのオーラは虎のような形を作り、命が吹き込まれたかのような存在感がある。




「グオオオオオオオオオオ!!」



「技のくせに雄叫びまであげるのかよ!?」



「おおー!!ハゲ本気じゃん!!すげー!!」



「おい!だからハゲって呼ぶな!!」



「ちょ!突然はだめっすよ!ハゲとまるっす!」



「だからハゲって呼ぶな!!やらなきゃやられるんだぞ!」




3人がじゃれてる間でも‥ハゲの攻撃は俺を襲いかかってくる。



というかコイツらAランクの有名なチームだろ!?




「くそ!まずはこの攻撃をなんとかしないと!


【リボルバーラビット】


【コンバットジャック】」



俺は収納リングから愛用してる武器を2つ取り出した。



リボルバーラビット。コイツは俺が初めて手に入れたソウルウエポンでありリボルバータイプの武器だ。

コンバットジャック。そしてこいつもソウルウエポンであり、コンバットナイフタイプの武器であり、右手にリボルバーラビット、左手にコンバットジャックを持ち、リボルバーラビットから地面に向けて一発の弾丸を放つ。


「グオオオオオオオ!!」




リボルバーラビットからの一発で俺は空高く飛び上がりハゲの繰り出した虎の攻撃を避けることに成功した。


「これでっ‥てそりゃ追尾してくるか!」



しかし虎は方向転換をして再度俺に襲いかかってくる。



リボルバーラビットから銃弾を放つことにより、その威力とスキルによって空中を駆け回る。


そのスキルの名前は【跳空弾】。


元々は放った弾が空気にぶつかり軌道が読めなくなるようなスキルだが、色々試行錯誤してみたら空中を飛び回れるようになったんだ。


「ガオオオオ!!!」



「くっ!こんなのずっと避けられる訳がないよな!」



跳空弾を放ちギリギリでかわせているが、体力にも魔力にも限りがある。






「クロスプロミス!」



コンバットジャックのスキルの1つである【クロスプロミス】



このスキルは十字を切った場所に瞬間的に見えない十字の壁を作る。その壁は瞬間的であるが不壊でありこのスキルで助けられたのは1度や2度では済まない。



「グオオ!!オオオオ!!」




直線上の動きの虎の攻撃は読みやすい部類だ。進行方向にクロスプロミスを放つと案の定虎もその壁にぶつかり一瞬だが静止させることに成功した。



「もったないが使うしかない!


ロケットエクスプロージョン花火×10!!」



そしてその隙を見逃す俺じゃない。自作の最高傑作である【ロケットエクスプロージョン】のマジックアイテムを虎に標準を合わせてぶっ放す。



「グオオオオオ!!!」


これを1本作るのには時間も労力もコストもバカにならない威力のマジックアイテムだ。このマジックアイテム1本で昨日俺が使用したロケット花火群3つ位の威力にはなる。

その威力を誇るアイテムを10本も使用したがこの程度で止まるような攻撃ではなさそうだ。




「コレで駄目なら打つ手がないな‥」



ダメージは食らってるようだが流石にまだうごけるか。

このハゲのこのスキルは有名だ。確かミスリルゴーレムをこの一撃で討伐したとか、古い屋敷をこの技一発で粉々にしたとかの異名を持つ。



【獅子王紅蓮】



「こんな技を人間相手に撃っちゃだめだろ‥」







コンバットジャックをしまい黄龍に切り替えると両手には2つの銃を持っている状態になり両手をクロスさせて虎に標準を合わせる。


どちらの銃にも【魔力】を同じ量になるように込めると、その2つの武器は元々が1つであるかのように

また魔力で2つの銃を包みこむ。




「【シンクロマジックショット】!」




一つになった銃口は元の威力よりも10倍も20倍も威力を高めて放たれる。




「おおー!!すげー!!器用だねー!!」



「1連の流れは流石っすね。あの人のスキルはなんなんすか?職業スキルはレアなやつっすか?」



「んー?あの人は‥‥おおー!!スキルはショップだけで称号は【アイテムクリエイター】だけだー!!


それであの動きは凄いなー!!」





「‥ん?職業スキルにショップなんてあるんすか?それに種族は人間すか?魔王のスキルか称号はないんすか?」



「そうだよ!すげー!!それであのハゲの攻撃を打ち破るなんて!!」




「ハゲっていうな!‥だが、もう一度放てば終わりだろう。」




「いや、ハゲは動くなっす。」






なんとか虎の攻撃を打ち破ることには成功した。




「はぁ‥はぁ、はぁはぁ‥」



「ぎゅおお!!」



だけど体力も魔力もすっからかんだ。俺は地面に這いつくばりそうなのをなんとかこらえて冒険者3人の方に視線を送る。

侍ゴブリンはそんな俺を守るように立っているがあの3人からしたら瞬殺されてしまうだろう。



3人は話し合いをしてるがハゲが茶髪に怒られているようだ。



「ていうかハゲ!突然攻撃するとかアホなんすか!?

罪もない人を殺してたかも知んないんすよ!!」



「い、いやでも魔王って言われたら先手必勝じゃないと勝てないだろう??」


「それにしてもっすよ!!次勝手なことしたら本気で怒るっすからね!」


「はっはっはー!ハゲ怒られてやんのー!」



「くっ‥だからハゲって呼ぶんじゃない!」



「あのお兄さんも敵意はないっす。まずは話をして‥」







どうやら話し合いは良い方向のようだな。ただ意識が朦朧として3人の話が頭に入ってこない。




「だめだ…体力も魔力も使いすぎて‥


くっ‥」




俺は体力と魔力を使いすぎて気を失ってしまった。









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