第7話 スキル発動②
オプションの後はスキルを選ぶ項目だ。
スキルは【仕入れ】として倒したモンスターの所持するスキルを選んで購入するモンスターに付ける事ができる。 仕入れとしてモンスターを倒さなければ、通常通りダンジョンモンスターであればアイテムがドロップすることもできる。
「ランクによって選べるスキルの数は変わるのか。」
今回選んだ武者ゴブリンシャーマンはランクがCだ。Cランクの場合は3つまでスキルを選んで付ける事ができる。
Dランクの場合は2つ
Eランクの場合は1つ
Fランクの場合は0
というようにランクが1つずつ上がればスキルが1つ付与できるようだ。
「今回は【身体デバフ攻撃】【隠密】【夜目】この3つをつけよう。」
選んだスキルを見つめながら、少し心の中で確信が持てた気がした。これで俺も、少しはあいつらと肩を並べられるのかもしれない。あいつらに置いていかれないように。あいつらを見返すために、俺はこの力をつかいこなすんだ。強くなればまた一緒に歩める日が来るかもしれない。そのためには、どんな方法でも使わなければならない。
スキルは1つにつき10万円。この金額を安いと思うのか高いと思うのか聞かれれば俺は前者だと断言できる。
スキルを得るためにはスキル発現者としてスキルを得るか、【スキルの宝玉】というアイテムを使うのが一般的だ。
スキルの宝玉はダンジョンから稀にドロップするレア中のレアなアイテムで10万なんて安い金額で買える代物ではない。
スキルの宝玉で身体強化を買うとすれば最低100万円はするだろう。
【魔法スキル】と呼ばれる炎魔法や氷魔法なんて桁が可笑しいことになっている。
スキルは倒したモンスターに付いてる分で1つとカウントして付与するとショップのスキル欄からは無くなってしまうが、それでも破格な性能ということは間違いない。
「魔法スキルも10万円で付与できるとしたら‥‥考えただけでニヤニヤしてくる!」
心の中で湧き上がる熱情を抑えながら、俺は次のステップへ進んだ。あの頃の自分を思い出す。あいつらと一緒に過ごしていた時間が昨日離れたばかりなのに懐かしく感じてしまう。だが、今の自分は違う。今の自分はあいつらに追いつき、追い越すために強くなる覚悟を決めている。
オプション、スキルを選んだ後はお待ちかねの召喚だ。
「武者ゴブリンシャーマン召喚!」
その言葉にショップのスキルが反応し、俺の目の前の地面には魔法陣が展開されていく。魔法陣がゆっくりと形を作り出すと、次第にその中央から武者ゴブリンシャーマンが現れる。
「グギョオオオオ!!!」
強大な咆哮が響き渡り、周囲の空気を震わせる。まるでその声が俺の心に直接響いてくるような気がして、思わず背筋を伸ばした。召喚されたその姿は、先ほど戦った時よりも強く見えるのはきのせいじゃないと思う。
武者ゴブリンシャーマンの姿については背丈はおれと同じくらいあり、手が地面に付く位長い黒緑色の肌をしたゴブリンだ。しかし、通常のゴブリン‥シャーマンゴブリンと違うのは頭に兜を被り服装も胸当てや軽装ながら鎧を身に纏ってるという所だ。
今回のように武者ゴブリンシャーマンやもっと上の階層の武者系シリーズのモンスターを揃えたら軍隊にも匹敵するんじゃないだろうか。そうなればもう足手まといなんて思われないだろう。
「これが俺の力か……これであいつらと再び肩を並べて歩めるかもしれない。」
その思いが、自然と心に湧き上がる。あの頃共に戦い、共に過ごした仲間たちの顔が浮かんだ。あいつらを見返すため、そして再びあいつらと肩を並べて歩むために、俺はもっと強くなりたい。もう一度、あの場所へ戻るために。
その気持ちが心の中で確かに燃え上がり、再び歩みを進める決意を固める。
「その為にはお前の力が必要だ。これから宜しくな?」
「くぎょぎょ!!」
武者ゴブリンシャーマンは俺の仲間としていてもらおう。
どうせならショップというスキルなんだから、他のショップスキル持ちみたいに販売もしたい。
ただ俺のこの能力は極悪だ。能力が解放した今だから分かる。このスキルはマジで天下を狙えるスキルだ。
昔大きな事件があった。それは冒険者が【強奪】というスキルを持っていて対象の者からスキルを奪うことが出来るという極悪なスキルだった。そのスキルの嫌な所は【対象を殺すとスキルを奪うことができる】というルールがあり、その者は119名もの人間を殺めた大量殺人鬼だった。最終的には高ランクの冒険者30人でなんとか倒すことに成功したということだったが‥
「強奪と同じ能力があるってことだよな?それに」
武者ゴブリンシャーマンを召喚してスキルの理解出来たこと
①自分が倒したモンスターを召喚することができる
②倒した対象のスキルをショップ内の倉庫のような場所に保管できる
③ショップから召喚したモンスターで自分が所有者だった場合は召喚しても再度ショップに送還できる
④自分がテイムしてる状態でも再度別の者にテイム状態で譲渡できる。
そう。②の倒した対象というのは別に【モンスター】じゃなくてもスキルをストック出来るのだ。
ダンジョンでは荒くれ者や悪いことをする奴等が悲しいことに一定数いる。特に国や自治体が管理しきれてないダンジョンではモンスターじゃなくて人間の方が脅威だったりもする。
俺達も過去に何度か襲われることもあったが、チームのメンバーが強過ぎて襲ってきた奴は話にならなかった。
俺がいたチームが直ぐにランクが上がったのも有名な犯罪集団を討伐した経緯も大きな要因だったりもする。
「今だにあの時のことは忘れられないしな。」
そう、討伐したのだ。人間に対してモンスター同じように駆逐した。
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