とあるチームのミーティング

「は? 剛を辞めさせた?なんの冗談だろ?」


「冗談じゃないよ。あいつは俺たちの足を引っ張ってるだけだ。いなくなった方がもっと上に行ける。」


「ふざけんな。今すぐ連れて帰ってこい。で、話を聞く。そんなに時間経ってないだろ?」


「残念ながら、あいつの居場所はわからないんだ。実家にも『探さないで』って手紙が届いてるってさ。」


「電話も解約したのか……まあ、あいつならそうするだろうな。」


「あんな無能がいなくなったんだし、これからのことを考えようぜ?」


「ごうはすごいよー?何でもできるし、お願いすれば次の日には終わらせてくれるし、優しいし、カッコいいし……きゃー!!」


「は? あいつがすごい? スキルすら満足に使えないのに?」


「本気でバカか? あいつはスキル無しでCランクの実力だぞ。お前ら、スキル無しでそれができるのか?」


「いや、あいつはアイテムに頼ってるだけだろ? それなら誰でもCランクくらいにはなれるだろ?」


「小学生からやり直せよ。ソウルウェポンってのはな、使えるやつを選ぶんだよ。持ち主がそれにふさわしいかどうかをな。で、あいつは3つのソウルウェポンを全てに認められてるんだよ。その意味がわからないのか?」


「たかがソウルウェポンだろ。大したアイテムでもないし、それに認められたからって、俺たちの土俵にあんな雑魚が立つわけないだろ?」


「本気でバカか?それ以外にもあいつがやってる仕事、誰にも真似できないんだぞ。ダンジョンの準備や書類、モンスターの情報集め、弱点の分析、野営の見張りに加えて、温かい飯まで準備してくれるんだ。そして自作でマジックアイテムまで作れる。スキルもなくだ。この凄さか本当に分からないのか?」



「そんなこと誰でもできるだろ‥‥雇えばいいだけだ!」



「でもごうみたいにすごい人を雇うなんてー

普通できないと思うけどなー?

どこを探したらそんな人いるのー?

見つけてきてみてー?

あ、でもごうが良いから見つけなくていいやー

早くごうを連れてきてー

成分がなくなるー」



「俺等レベルならチームに加入したいっていう猛者は五万といるだろ!?あんな雑魚がいなくても俺等なら間違いなくAランクになっていたさ!」



「剛がもしいなかったら、あのAランクダンジョンの攻略も無理だっただろ。あの場所のギミックを解いたのだって剛だったんだぞ?今までの冒険者じゃ無理だったギミックをだ。」




「そうだよー?それにごうがいなきゃーうちはもう生きてなかったかもしれないし‥‥リーダーだって何度も助けられてるでしょ?どうしてごうをそんなに嫌うのー?友達でしょ?」



「うるさい、黙れ! あいつなんていなくても、俺達だけでどうにでもなるさ!あんな雑魚最初からいらなかったんだ!!」



「……ねー?そろそろ真面目にしてくれないとー?


イライラしちゃうから早く剛を連れて来てもらっていい?燃やすよ?」




「どうにかなるだろ! 俺たちは強いから!どうして武蔵も莉愛もアイツを庇うんだよ!?」



「強さだけじゃどうにもならないんだよ。確かに俺達4人は強い。もっと上にいける素質もある。剛も俺達と比べたらモンスターを討伐するということに対しては劣る部分は多い。」




「な、なら俺達4人でも良いじゃないか!?リーダーに武蔵!莉愛に俺がいれば!!あんな御荷物なんていない方がやっていけるだろうが!?」




「ねえ?うちの名前を気安く呼ばないで?本気で燃やすよ?」




「そ、そうだそうだ!スキルだってたかがショップスキルで使えもしない役立たずだぞ!!」



「はぁ‥なんで剛はお前らのことを友達だと思ってるんだよ‥一度友達認定するとトコトン信じちゃうからな剛は‥ショップのスキルだぞ?本当に分からないのか?あのスキルにしても可能性しか感じないだろうが‥」



「ねー?ごうってホントに優しいよねー?こんなヤツらを友達だと思えるなんて。ていうかアンタらそろそろ黙らないと本気で燃やすからね?それとも氷漬けが良い?」




「芥見もそうゆうの辞めろ…


…良いか?人を雇えば済む問題もあるかもしれないか?書類の処理をしてくれる人を雇ったらどのくらい掛かるか知ってるか?

野営の見張りは他人にさせて安心できるのか?飯は?もしかしたら俺達を蹴落とそうとしてる奴が毒を盛らないとも限らないぞ?

ダンジョン攻略の情報の値段知ってるか?アイツAランクのダンジョンの攻略情報やマップとか毎日持ってきてくれるけどな?普通に買ったら数十万はするぞ?

モンスターに囲まれないように立ち回れる冒険者なんて見たことあるか?俺は剛以外知らないぞ?それもAランク帯のダンジョンだぞ?他で聞いた事あるか?それにさっきも言ったけどな?あのギミックをリーダーは解ける自信あるか?1流大学の学者達が解けないギミックをアイツは解けたんだぞ?」



「そ、そんなの偶然かも知れないだろうが!!」




「偶然か?偶然なら余程運が良いんだな?そして俺達が強い?確かに強いかもな?今迄危険だと思ったことはないな。」



「だ、だろう!?それならやっぱりあんな雑魚がいなくてもどうにでもなるだろうが!!」




「どうにかなるなら良いのにな‥‥



‥‥‥まぁこのままチームにはいてやるよ。」



「え?武蔵本気で言ってるの?アンタまで阿呆になった?」




「まあな、剛との約束もあるし、このチームに‥


‥って、お、おい!そんなに怒るなよ!【魔力】暴走させようとするな!!‥つうかお前も今抜けても剛に怒られるだけだから辞めるなよ?アイツに嫌われたくないだろう?お前も剛と約束しただろ!?」




「むー‥ごうなら怒りそー‥嫌われたくないー。」




「だろ?ということでリーダー?俺も芥見もこのチームにはいてやるが俺等はもうこれ以上上には進めないぞ?Sランクなんて夢のまた夢だ。」




「なわけないだろう!‥いや、そうだな。それならこのまま俺達が上に行けるなら武蔵と莉愛(りあ)は俺の言う事に全て従ってもらうぞ!!」



「ていうかさーもう1度だけ言うけど‥アンタがうちの名前呼ばないでもらって良い?ホントに殺すよ?」



「なんだ莉愛?やっぱりあの雑魚がいなくても俺達には何も変わらないと思ってるんだな!?それは俺の話に乗れないよなあ?」





「‥武蔵?やっぱりコイツギタギタにしてごうの所に行っていいかな?ていうかさ?マジでやっちゃうわ。森羅万象のことわ‥」




「まてまてまて!詠唱するなんて駄目に決まってるだろ!?剛本気で嫌われるぞ!?‥よし、じゃあその賭けに乗ってやる。俺の中では遅くとも剛がいれば半年でSランクにはなれると踏んでいたんだ。俺達がこのチームに半年は在籍するからそれまでにSランクになったらお前の勝ちで良いか?」





「ははは!!なんだ!?半年も猶予をくれるのか!!この間Aランク上位のダンジョンを攻略した俺達ならSランクなんてすぐだぞ!!」



「じゃあ半年で決定だ。芥見も半年は我慢してチームにいろよ?そうしたら剛も何も言わないさ。」



「むー‥半年もは長すぎるけど。


むー!!!」






「‥最早剛がいなくて芥見を抑えるのがホントにキツイ。しかもコイツらなんでまともに話し合いが出来ないんだよ。」





「むー!!半年は長い!!3日にしよう!!」




「だからそんな我儘言ったら剛に嫌われるぞ?」

  



「むー!!!」






「‥剛に会ったら八つ当たりしよう。半年後が待ち遠しい‥‥ていうかそのAランク上位のダンジョンのボス戦攻略の決め手も剛のおかげなの本気で忘れてねぇか?バカなのか?」




「むー!!!むー!!!!」




「ははは!!早くSランクにならなきゃなあ!!そしたら莉愛も俺のものにしてやるからなあ!!ははは!!」





「むー!!!」





「はあ‥【職業スキル】を持ってるだけでこうも人が変わるなんてな。


リーダー?お前はもう終わりだよ。昔はお前もいいヤツだと思ったんだけどな。俺は悲しいよ。」






「ははは!!やっとあの雑魚を追い出せたぞおおお!!ははは!!」





「職業スキルなんかよりも剛のショップの方がヤバい気がするんだけどな?



お前らが驚くのも時間の問題だぞ?」




「むー!!!む‥ごうはもうヤバいくらいすごいよー!!」




 「芥見は本当に剛が好きだな‥」




「え!え!!?好き!?剛がウチを!?そ、それは嬉しいし、どうせならずっと一緒にいたいっていうか、いや、べ、べべぺ、ぺつに!かの、かのじ、かのじょとかになりたいわけじゃ!あるんたけどお?どうせならけ、けけ、けっこ‥」






「はー‥リーダーもこんなに剛の事ラブな奴を好きになるなんて阿呆だよ‥どうせそれが大きな原因だろうな‥‥」





「ははは!!やっと邪魔者を追い出せたぞおおお!!!ははは!!!これからは俺が莉愛と‥プギャエ!!」




「だからアンタがウチの名前を呼ばないで?」






「芥見‥‥本当に魔法を撃つなよな‥」












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