束縛帝王の溺愛

第16話

胸の突起を口の中で転がしたり、甘噛みしたり、反対側を指で捏ねられて、体が激しく痙攣し、とめどなく愛液が溢れ出す。

｢今だけでこんな感じてたら、お前、最後までしたら、壊れちまうんじゃね？｣

｢こゎさなっ……でぇ……｣

会長の腕を掴んで、涙で滲む目で会長を見る。

｢お前……それ、反則だろっ……。クソっ……ちょっと一回出すぞ｣

｢ぇ……｣

｢……生で、入れてい？｣

｢っ！？ ゃ、やだっ！ だめっ！｣

｢外に出すし、なんかあったら、責任ちゃんと取るって｣

｢そういう問題じゃっ、ぁ、やだやだっ……｣

会長の熱い昂りが、宛てがわれ、私の言葉は流されて、突き入れられた。

｢ゃあああァっ、あっ、ゃ、はっ……｣

大きくて固くて熱いモノが入ってくる感覚に、息をするのも忘れて喘ぐ。

｢くっ……はぁ……生で、入れられて……っ、感じてんのか？ ククっ……｣

｢いやぁ……やぁ……｣

｢ばーか。生なんて、冗談だよっ……ちゃんと着けてる……｣

ゆっくり腰を引いて、会長のモノがギリギリまで抜かれる感覚で、ゾクリとする。

｢でも、生で入ってるって聞いてっ、中ぎゅうぎゅうに締め付けて、体は期待してたみたいだけどなっ……｣

｢ひぃやあぁっ！ っ……あぁ……あ……｣

抜けそうに引いたモノを一気に奥へ深く刺され、ビクビクと背を反らして達する。

｢はぁっ、いつもより、っ敏感だな……もう何回イったか分からねぇだろ……｣

また腰を揺らし始めた会長に合わせるように、私の腰も自然と揺れる。

｢へぇー……積極的っ、じゃねぇの、今日の栞ちゃんは。つか、なんか、やらしい動きすんな……っ｣

｢あぁ、あっ、んぁっ、はぁ……｣

朦朧とする中でも、私の腰は止まらない。もう、会長が与えてくれる快楽の前では、私の抵抗など消えてなくなっていた。

｢あー、クソっ……煽りすぎだろっ、っ、そろそろっ、出すっ、ぞ……｣

皮膚を打つ音と律動が早くなり、会長のモノが中でビクついてるのが分かる。

奥を強く突かれる感覚と、耳に届くいやらしい音と、会長の興奮したような声と息使いに、頭が麻痺してくる。

ゾクゾクとした波が上がって来ているのがわかる。夢中で会長にしがみつく。

｢やっ、あっ、あぁっ、だ、めっ、気持ちぃの、来るっ、きちゃっ……からぁっ……あああぁあっ！｣

｢んっ、ぅあ、っ……すげっ、締まるっ……｣

小さく喘いだ会長の声を遠くに聞きながら、喉を震わせて激しく絶頂を迎えた。

会長が入ったまま、ほとんど意識を手放しそうな私を、起き上がらせて向き合って座る形になる。

｢ほら、はぁ……まだ、終わりじゃねぇぞ。一回イっただけで、終わりだと思うなよ｣

私の額に張り付いた髪の毛をよける優しい指が気持ちよくて、会長の手に頬を擦り寄せる。

｢どした？ 今日はえらく甘えん坊だな……可愛すぎ……｣

｢んっ、ンんっ……はぁっ、かい、ちょ……｣

｢名前、呼べよ……｣

ねっとりとした啄むキスの後に甘く囁かれ、ゾクゾクする。お腹の奥がまたジワリと熱くなる。

｢っ……拓斗……た、くとぉ……｣

｢あぁ、マジで可愛すぎる。たまんねぇ……｣

貪るように余裕のないキスを、舌を絡めて受け止める。二人の熱い吐息といやらしい水音が部屋に充満する。

｢ああっ、拓斗のっ……また……お、きくっ、あぁ、んっ……｣

｢可愛すぎるっ、おまえっ、がっ、はぁ……悪いっ……｣

抱き合ったまま、下からズンズンと奥を突き上げられ、悲鳴に近い声を上げてながら会長――拓斗の首に手を回してしがみつく。

一段と激しく突き上げられると、体を仰け反らせながらまた達する。

｢これっ、だめっ、あんっ、奥、に当たっ、てっ……気持ちぃからぁ……だめだめっ、頭へんに、なるっ……ゃあぁぁ……｣

｢締め付けっ、すぎっ……だって……はぁっ、くっそ、っ……イクっ……｣

しゃぶり尽くすようにお互いの唇を激しく貪り合う。

｢……っは……んだっ、これっ……理性、吹っ飛ぶっ……やばすぎっ……はっ……っ……｣

｢拓斗っ、拓斗っ、気持ちぃっ……の、ゃ、こわ……ぃっ……ぁんんンっ……｣

助けを求めるように、拓斗に強くしがみつく。

｢はぁ、ぁ……一緒に、おかしく、なればいい……なら、怖くないだろ……。俺が一緒にいて、抱きしめといてやる｣

どんな時も、私を甘く誘惑する低い声。

いつの間に、私はこの人の声に、温もりに安らぎを覚えてしまったのだろう。

この人の腕の中なら、何があっても平気な気がする。

安心感。その言葉が一番しっくりくる気がした。

｢マジで好き……栞、好きだ、栞。俺の、俺だけの栞に、なってくれ……栞……栞……｣

愛おしさが溢れる声で囁かれ、何度も口付けられ、私はもう逃げられないと悟った。

拓斗に惹かれている。それは、これ以上ごまかせなくなっていて。

｢意地悪は、いや……｣

｢ん？｣

｢無理やりも、いや……｣

｢おい……｣

｢人前も、いや、だし……怖いのもやだ｣

拓斗の声を聞き流し、私は言葉を続ける。

｢優しくして、甘やかしてくれなきゃ、いや｣

｢栞……｣

恥ずかしさを堪えて、拓斗の顔に近づく。

―――チュッ。

自分からしておいて、ボッと顔が一気に赤く色づく。

｢マジかよ……なんだこの破壊力っ……。こんなん反則だろ……嬉しすぎて、浮かれちまう｣

初めてみる困ったような、照れたようにくしゃりと笑う少年のような笑顔。

心臓の動きが早くなる。

｢大事にする。人前とかその他云々は……善処するが、約束はしねぇ｣

｢ちょっ……｣

｢可愛いお前が悪い。お前見てると、どこで誰がいようと、触りたくなるし、ヤりたくなるんだから、仕方ねぇだろ。優しくするんだから、そのくらい多目に見ろよ｣

なんて理屈。さすが、帝王様。

｢うぅ〜……ばかっ、えっちっ、ばかぁっ！｣

次から次へと繰り返される口説き文句に、返す言葉が出てこなくて、子供みたいな返しで拓斗の胸を両手で叩く。

｢なんでお前そんな可愛い事ばっかっ……。なぁ、やっぱ生でやらね？ いいだろ？ 孕ませたい。俺の子、孕んで｣

｢はらっ！？ や、いやっ、やだっ、そんな事言うなら、もうしないっ！｣

体を引き離そうともがき暴れる私を、いとも簡単に抱きすくめる。

ずるい。ずるすぎる。

｢わかったわかった。孕ますのはもうちょい我慢しますよ。でも、いつか孕ませる、絶対な｣

まるでプロポーズみたいな事を、挑発するように言われ、心臓がドキっとした。

早まったかなと少し後悔したのは、内緒の話。