第15話

告白を受けてからというもの、体中にキスの雨が降り注ぐ。



晶さんが着せた服が気に入らないと、ワンピースを剥がされてしまい、下着だけにされて今に至る。



「んっ、かぃちょ……くすぐったっ……」



「くすぐったいわりには、声がエロいけど?」



「ちがっ……んっ……」



「嘘つき」



耳で囁かれ、ゾクリと体が波打つ。



さっきからずっと体中にキスをされてばかりで、くすぐったくて、もどかしくて、身を捩るしか出来なくて。



「んなエロい顔して誘って……やらしい女」



「し、てなっ……っ……ふ……」



クスリと笑った会長が、額にキスをする。



「物足りないか? でも駄目だ。今日は鈍感な栞ちゃんに、俺がどんだけお前を好きか、体中に刻みつけるって決めたしな……」



ドクンと激しく心臓が跳ねる。



「嫌ってほど、たっぷり可愛がってやるよ」



「っ!?」



なんて人に捕まってしまったのか。考えただけで、体が震える。



「何、期待したか?」



おへその辺りを舐められ、上目遣いで挑発するような笑顔で笑う。



ゾクゾクする感覚に、モジモジと足を擦り合わせる。どんどん変な気分になってくる。



触れるか触れないか際どい触り方で触られ、無意識に会長の肩の辺りの服を握りしめる。



「ん? どうした?」



「っ……ゃ……」



目で訴えるけど、会長はいつもの意地の悪い笑みを浮かべ、横腹を舐め上げる。



「何だ? 言わなきゃ分からないだろ……」



体を撫でながら、耳に唇を近づける。軽く噛まれ、熱い吐息が耳を刺激する。



「どうして欲しいか、言えよ……」



耳の穴に舌が入り込み、中で舌が蠢く感覚が頭を麻痺させていく。



お腹の下辺りが熱くなって、ムズムズしてくる。



「ほら、言え……栞……」



「んぁあっ……耳、しゃべら、ぃでぇ……」



「言え」



低く響く声に、腰が揺れる。



「ぅそっ……んっ、ぁ……」



「お前……まさか、今、ちょっとイったか?」



やばい。消えたくなってきた。まさか、触られずに達する日がくるなんて。



最悪だ。



「へぇー……お前、俺の声、好き?」



そんな事聞く時まで、こんないい声で聞いてくる。むかつく。



「赤くなって顔逸らすのは、肯定だって受け取るけど?」



「ぃじ、わるっ……」



「っ、何、お前……可愛すぎだろ……」



噛み付くようなキスの後、舌が激しく吸われ、口内を容赦なく犯される。



「んぅンんっ、んんっ、はぁ、んんンっ……」



「っん……はぁ……お前、どこもかしこも、マジで甘ぇな……」



息を吐く為にだらしなく開いた口から、どちらともつかない唾液が溢れる。



「エッロい顔……ほら、こぼすなよ……もったいねぇ……」



「ぁンんぅ……」



唾液ごと舐め、吸い尽くされ、頭がビリビリ痺れる。



「おら、舌出せ。しっかり、絡めろ……」



「はぁんンっ、んっ、んんっ……」



朦朧として、意識が飛びそうになる。



キスだけでこんなになるなら、と怖くなり、腰が引けてしまう。



「逃げんな……まだまだ俺の愛はこんなもんじゃねぇぞ。覚悟しろっつったろ?」



「っ、やだっ……ダメっ……」



私の願いが届く事はなく、下着も全て剥ぎ取られ、纏うものがなくなった私は、身を隠すように横に体を捻じる。



覆い被さる会長の気配に、気持ちとは裏腹に、今から始まる事を想像し、体は熱くなる。



「こら、横向いてんじゃねぇよ……こっち向け。顔見てぇ……」



イヤイヤと首を振って、枕に顔を埋める。



「ったく、ほんとお前は強情だな。ま、嫌いじゃねぇけど」



肩を掴まれ、前を向かされる。



「ま、ま、まってっ……」



「んだよっ……邪魔すんな」



会長に全力で来られては、身が持たない気がする。これは少し手加減してもらわないと。



「お、てやわらかに……お願い、します」



そう言って私は、会長に目で訴える。これは、手加減してもらう為にする、私の精一杯の懇願方法だ。



「……お前、それ、わざとか?」



「へ? あっ!」



「んな可愛い顔で、煽って、俺が手加減出来るって思ったんなら、お前もまだまだ俺を知る必要があるな」



「やだっ、煽ってなんかっ、なんっ、でっ……あぁっ……」



恥ずかしさを我慢してまでお願いしたのに、どうなってるんだろう。



「お手柔らかに、ねぇ……。お前のここは、そうは言ってねぇみてぇだけど?」



足を広げられ、自分でも分かるほど濡れているそこに息がかかる。それだけで、腰が跳ねる。



「すげぇ……トロットロにとろけて、欲しいってヒクついてる……」



「やぁ……説明っ、いらなぃっ……」



恥ずかしい事を実況してくる会長の頭を押して、腰を引く。その腰ごと掴まれて引き戻される。



「ひあぁっ! やぁっ、なめっ、ぁあああっ!」



音を立ててそこを舐めて、吸われ、目の前がチカチカする。



「いっぱい気持ちよくなって、俺の事しか考えられねぇようになればいい」



そう言ってもう一度深いキスの後、胸にある突起を両方同時に刺激される。



体がビクビクと波打ち、高い声が出る。



もう何をされても反応する体は、完全に会長のくれる快楽を待ち望んでいた。

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