第7話
いやらしい水音と、椅子が軋む音が妙に大きく聞こえる。
「やぁあっ、んっ、ゃ、いやぁっ……」
「っ、気持ちよさそうな顔っ、で、ヨガってるくせにっ、何がっ、嫌だ、よ……っ」
激しく突き上げられて、お互いの荒い息が耳を犯して、体がもっと熱くなる。
「おら、見えるか? お前のここ、っ、俺の咥えこんで、喜んでるのっ……はぁ……」
「いわな、でぇ……」
「離したくない、って、吸い付いて、絡みついてくるっ……。ぁあ……たまんねぇ……」
強弱をつけて腰を打ち付けながら、熱を持った綺麗な目で私を見つめて微笑む。
――――ガチャ。
耳を疑う音。
あぁ……神様……夢だと言って。
背後で扉が開く音と、誰かが入ってくる気配がする。
「……全く、貴方は。いつかこの部屋にも女性を連れてくるとは思ってましたが……」
いかにも面倒そうで嫌そうな声でため息をついた人は、何事もなかったかのように普通に部屋へ入ってくる。チラリと盗み見ると、こちらを気にする様子すらなかった。
気にする必要もないほどに、当たり前の事なのだと、つくづく目の前の男を睨みつけたくなる。
「ん? どした? 怖い顔して。まぁ、それもそそるけど、なっ……」
「っひ、んあぁっ!」
突然、思い切り奥を突き上げられて、油断していた私は高い声で達してしまう。
聞かれた。最悪だ。
「……いい声。マジで可愛いわ、お前」
「ゃ、動か、なぃで……声、出ちゃ……」
「我慢すんな、いい声っ、聞かせろ」
「ゃだっ、ん……ぉ、ねがっ……やめ……」
必死に拓斗の胸を押したり叩いたりして抵抗する。それでも拓斗は、私の手首と腰の両方を大きな手でしっかり固定して掴み、椅子を少し後ろへ下げた。
嫌な予感がする。いや、待ってと首を横に何度も振り、目で訴える私を意地の悪い笑みでかわして、拓斗が腰に力を入れたのを感じた。
「ぁああぁっ! やっ、やだっ、んっ、だ、めっ、だめぇっ!」
「そうそう。お前は何も気にせずっ、そうやって、はっ、可愛い声でっ、鳴いてろっ……」
私の体を知り尽くしているかのように、私が弱い場所ばかりをしつこく突き上げる。唇を噛んで我慢しようとしても、無駄に終わるくらい、激しく揺さぶられる。
「ここ、好きだよなぁ……ククっ。エロい顔して……そんなに、ここ、気持ちいのか?」
「……ァアッ、ん、あっ、あっ、ゃあっ」
さんざん同じ場所を刺激されて、ジンジンと痺れる頭。
「そろそろ終わらせて、早く書類見てくださいね。僕も暇では無いので」
冷静な声がかけられても、朦朧とした頭ではもう分からなくて。
「はいはい。これだから真面目君は」
クスクスと笑いながら、また動きが再開する。
「……ひっ、ぁっ、そこばっ、かっ、やっ……ああっ……」
「気持ちいんだろ? 好きだもんなっ……」
「んっ、あっ、ぁんンっ、おかし、くな、るっ、からぁ……」
一段と激しく突き上げられながら、耳元で低い声で「イケよ……栞」と囁かれ、そこからゾクゾクと痺れが体を駆け巡った。
「……ひぃっ、んンっ、や、だめ、だめっ、きちゃっ……やぁあぁああーーっ!」
物凄い快感が体中を駆け抜け、ビクビクと体を痙攣させ、意識を飛ばす。人がいるとか、聞かれるとか、もうそんな事を気にする余裕など私にあるはずがなかった。
なのに、また、意識が引き戻される。
「ひっ、んぅっ、もっ、イった、のにぃ……」
「俺はまだっ、イってねぇけど?」
「やだっ、む、りぃ……ぁ、ンんっ……」
強く唇を吸われ、舌を絡め取られて、腰がゾクゾクする。
「くっ! クソっ、締めんなっ、て……」
拓斗の首にしがみつき、快感から逃げるように腕に力を入れる。
私を抱きしめながら、拓斗が苦しそうに力を入れた後、私の中の大きくて熱いモノが蠢いてビクビクしているのが分かる。
そして、私の意識は手放された。
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