拉致

第36話





 しばらく一緒にいる事になり、黒豹の皆とつるんで一週間。問題なく平和な日常を送っている。今日までは……。



「きょーちゃんっ!」

「うわぁっ!?」



 教室を出てすぐに、あたしは背後からポンッ!と叩かれ、声をかけられた。それに驚いて声を出し、勢いよく振り返る。すると、後ろには零二がいた。



「れっ、零二先輩……。驚かせないで下さい」



 胸をおさえて息を吐いてから、落ち着いた声で零二に返す。あたしの表情を見て零二は、嬉しそうに笑って言う。



「ごめんごめん、恭ちゃん。まぁ、そんな事より」



 そんな事!?



 何がそんな事なのか全く分からない中、零二は話を進める。



「この後てか、今から一緒に出かけよっ!」

「出かけるって……どこにですか?てか、二人で……ですか?」



 笑顔の零二の誘いにあたしは、疑問をぶつける。それに零二は、嬉しそうに笑っている。



 まだ行くとは、決まってないんですけど……。



 零二の表情を見て思っていると、零二があたしの疑問に答える。



「うん。今から二人で!」



 今更ながら、周りに砦や圭がいない事に気づき、本当に二人で出かけたいんだと知る。満面の笑みで答えた零二の言葉に、あたしは苦笑い。



 二人でどこに行くんですか……。






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