第32話
抗の表情を壊すように、あたしは平然と言ってみせる。それに抗は、表情も体も固めた。
固まっている抗に対し辰己が、あたしの顔を見て言う。
「それがお前にとっていいなら、それでいい。あとは勝手に、屋上にでも俺達の所にでも来い」
辰己が睨むようにあたしの顔を見て言い捨てると、背中を向けて歩き出した。
優しいのか……めんどくさがりなのか……はっきりしてよ。
昼休みの一件から時間が経ち、放課後。あたしは再び、屋上に訪れた。
「失礼しま……」
「待ってたよ!恭ちゃんっ!」
恐る恐る、屋上の扉を開くと、零二が笑顔で迎えてくれた。が、その顔が酷い。
「うわっ!!零二先輩っっ!!??どうしたんですか!?顔が赤く腫れてますけど!!??」
昔見たアニメに出てくる主人公が、顔を複数人に殴られたように、赤く腫れている。それに零二は答えにくそうに、苦笑いを浮かべている。
笑い事じゃ……っっ!!!
あたしは慌てて氷水を取りに屋上から出て行こうと、クルッと零二に背中を向けた時、屋上の扉の前に砦が立つ。
「恭ちゃん、零二の事なんか気にしなくていいよ。自分でした事に対する罰だから」
「いや、でも……」
微笑んで話す砦の言葉にあたしは、振り返って零二の顔を見る。
いくら罰でも、やりすぎだろ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます