第26話





 知ってるよ、その姿。あたしは何度、見てきたんだろ……。



 あたしの表情に抗は安心し、圭は抗の様子を見てから、続きを話し出した。



「“黒豹”っていう族だ。まぁ、恭にとってはカンケーねぇ話だけどな」



 口元に笑みを浮かべて最後に言い捨てると、圭はご飯を食べる。



 確かに、それ以上知る必要性は、一般人であるあたしにはないね。ただ……。



「あたしがここにいる時点で、問題があるんじゃないんですか?」



 静かに圭の顔を見て尋ねる。それに圭は、あたしの顔を見る。



「どういう事だ、恭。何か知って……」

「“蒼連”」



 圭が鋭い眼つきであたしを見て言った言葉を遮るように、辰己が静かに口を開いて言った。それに驚いてあたしも圭も、辰己を見る。

 辰己はあたしに顔を向けている。



「……ここに、したっぱがいる事でも聞いたのか」



 辰己が鋭い眼つきであたしに近づいて聞いてきた。それに笑みを浮かべる。



「はい。少しだけ」



 本当は健介さんから聞いた、なんて言えないしね。



 嘘をついたあたしの言葉を信じたのかは分からないが、あたしの前で足を止めると、何を言いたいか分かったのか、口を開いて言った。



「ここに来ている時点で蒼連のしたっぱが勘違いして狙う。だから、ここにいる時点で危ないだろ……って、言いたいのか?」

「はい」



 さすが総長。そうつけ足して言おうと思ったが、言うのはやめた。



 でもなんか、脅してるみたいだね。



 今までの会話を思い出してやはり違うと思い、口を開こうとした時、先に口を開かれた。



「ここに来る途中、蒼連の奴等に目をつけられたのか?」

「えっ?」



 予想外な言葉に、あたしは驚いた。





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