第19話
零二の表情を無視してあたしに低い声で呼びかけると、哉と別れて先に教室に入った。それに慌てて零二に「失礼します」というと、哉に挨拶をしてから、教室に入った。
「抗?」
さっさと歩いて席に着いた抗にあたしは不思議そうに声をかけると、抗は鋭い眼つきで言い放つ。
「零二には近づくな。女好きで、付き合いが荒いから」
それは……。
「あたしが転校生だから、心配してくれてるの?」
抗の言葉はぶっきら棒だが、言いたい事が分かったあたしは、首をかしげて抗に尋ねた。抗はあたしの質問に照れた様子で言う。
「一応、ここに来たにしては何も知らないようだから……」
「……ありがと、抗」
抗の優しさにあたしは微笑んでお礼を言う。抗はお礼を言われる事に慣れていない様で、照れたように顔を赤くさせたかと思うと、すぐに机に顔を伏せた。その様子に小さく笑う。
抗って、本当に優しいね。
抗が隣で寝てるのを見ながら授業を受けていると、昼休みに入ってしまった。
意外と早いなぁ……。
なんて思いつつ、寝ている抗を起こさないように席を立ち、購買に向かう。
一応、昨日の昼休みに校内を一人で探索したから、大体は覚えてる。
昼休みになっても抗は、席から離れない。起きようとしない。だからといって、あたしが起こす事はしない。
心地よさそうに寝てるからなぁ~……。てか、何があるかなぁ~……。
そんな気楽に考えて購買に向かうと、購買の前では男達による、男達のための、お昼ご飯争奪戦が行われていた。
嘘だろ?こんな中をあたし一人で行くのか……?
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