第18話





 教室のドアの前で呼び止められたあたしは振り返り、その質問に「はい」と答える。

質問してきた男子の顔を見ると、興味津々といった表情で話す。



「昨日、抗が自ら進んで自己紹介したって、哉から聞いたんだけど……本当?」



 この人、抗と哉の知り合いか?



 それがイコール、族に入っている奴だという事にも気づく。が、表情に出さない。



 表情に出したら嬉しくって、笑ってしまうよ。



「そうですけど……」



 笑みを浮かべて尋ねてきた男子の質問に、あたしはあえて下手に出ると、目の前の男子は笑顔で自己紹介してくれた。



「そっか!俺は林原零二ハヤシバラレイジ。2年B組。よろしくね」



 笑顔のまま言って零二は手を前に出す。あたしはその手を見てつかみ、笑って言う。



「前田恭です。よろしくお願いします、零二先輩」



 あたしにしては上出来な言葉遣いに、零二は違和感を抱いていない様子だった。



 にしてもなんで、ここにいるんだ?あたしを見るために、わざわざ?



 零二がなぜ、ここに訪れたのか分からないでいると、声が横から入ってきた。



「零二。なんでここにいる」

「やぁ、抗。おはよ」



 嫌そうな声で零二に言ったのは、抗。それに零二は笑顔で返す。抗の隣には哉がいた。



 いつも二人で登校してるのかな?



 なんて、今の状況を考えていないあたしは、のんきに思っていた。



「昨日の哉の言葉が気になって、本人に会いに来ちゃった」



 テヘッ!という仕草をすると、抗はますます嫌な顔をする。



「恭、中に入るぞ」

「えっ、うん……」





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