第17話





「分かったよ。恭がそう言うなら折れる。でも、恭はここに残るべき人物だったって、俺は素直に思う!」

「弥……。ありがと。そう言ってくれて」



 弥の胸を張って言った素直な言葉に、笑みを浮かべて返すと、健介さんに受話器を渡す。



 もう、教室に行こうかな……。



 まだ時間があったため、またソファーに座ってくつろいでいたが、時計を見る。

 時間を見てあたしは健介さんにメモを書いて見せると、健介さんは首を縦に動かして、行くように動作を見せた。それにあたしは静かに理事長室を出ると、教室に向かった。



 朝から理事長室にいたのは、昨日知り合った抗と哉について少し、教えてもらうため。でも、大した情報はもらえなかった。



 抗は両耳にピアスを一つずつしており、族にしては珍しい黒髪。短髪ではあるが、後ろ髪だけ少し伸ばしているようだ。男子ではあまり見かけない、細眉の二重まぶたの目をしている。

 哉は片耳に深い青のピアスを二つしており、赤茶けた髪で右サイドに剃り込みを入れている。

 一般的には、モテ顔の分類に入ると思う。



あたしの場合、基準が分からないんだけどね。



 抗と哉は幼馴染であり、黒豹の幹部であるという、まさかの奇跡が起きてしまった。



 凄いね、あたし!初日で黒豹の幹部と知り合ってしまうなんて!



 自分に感心していると、教室に着いた。教室に入ろうとしているといきなり、後ろから声をかけられた。



「ねぇ、君が昨日転校して来たっていう、前田恭ちゃん?」





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