再会

第16話





 無事に初日が終わったあたし。無事に終わる事を祈っていた健介さんは今、泣いているかもしれない。



 そんな事で泣かれても、困るんだけどなぁ……。



 そう思いつつ二日目の朝、理事長室に寄ってみると健介さんは予想通り、泣いていた。泣いている健介さんの姿に呆れていると、部屋の電話が鳴る。それに健介さんが出る。



「はい。……何だ、お前かよ。恭だったら今、目の前にいるけど」



 ……??



 健介さんが嘘泣きをやめて普段の声で、電話の相手と話す。あたしはソファーに座って健介さんと電話の相手との会話を聞くが、予想がつかず、首をかしげる。少なくとも、あたしの知り合いである事は予想がつく。



「恭に代わるぞ」



 そう健介さんが言うと、受話器をあたしに向ける。あたしはソファーから立ち上がって受話器を受け取ると、「お電話代わりました。恭です」と恐る恐る声を出す。あたしの声を聞いた相手から嬉しそうな声が届いた。



「恭!!元気にやってるか!?」

「……弥。何、学校に電話してるの」



 電話を寄越してきたのは、転校前の学校で教師をやっている、前原弥マエバラヤヨイだった。弥は元青龍で健介さんの右腕だった。

 弥の嬉しいと言いたげな声に呆れ声で返すと、弥は安心した声で話す。



「でもよかった!健介がいる所で!恭が悪い訳じゃないのにアイツ、恭を退学処分にしろ、だなんて言って……っ!!」

「はいはい、弥。お前が怒る事じゃないし、普通はそう判断するもんだから、気にしない。他の生徒に示しがつかないでしょ」

「だからって!!」

「弥のそういうところ嬉しいけど、人によってはそう簡単に解決出来ないんだから、どちらかが一歩引けばいいでしょ?それで解決出来る問題じゃないの?」



 いまだにあたしが退学処分にされた事が許せないようで、弥は怒っている口調で話す。それにあたしは慰めるように話すと、弥が折れた。





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