第7話
息を吐き出すように言い、健介さんの前でかけていたメガネを外し、拭きながら話した。あたしの話に健介さんは立ったままあたしを見て、肘を立てて話す。それも残念そうに。
「そりゃそうかもしれないが……お前なら、地元でレベルが高い高校に転校出来ただろ?」
これは、もっとレベルのある所に行って欲しかったんだな。それも、地元で。
健介さんの話を自分で勝手に解釈しつつ、口を開く。
「地元はダメでしょ。噂があっちこっちで流れてるから。転校するなら、地元以外しかないんだよ」
言い捨てるように言うと健介さんの横を通り、接待用のソファーに勝手に座り、メガネをかけて話す。あたしの言葉に納得の表情を浮かべる健介さんに、肝心な話をする。
「それより、あたしのクラスと担任、教えてくれる?時間、ないと思うんだけど」
姿勢を正して言ったあたしの言葉に、健介さんが反応を見せると机へ向かい、すぐに受話器を手に取り、内線をかける。
「恭の事だから問題ないと思うが……一応話しておく。ここの学校は不良がウジャウジャいる。だから」
「気をつけろって?」
電話を切っていきなり話し出した健介さんの話に、あたしは質問もせずに内容を理解する。健介さんが言おうとしていた言葉を言うと頷いた。それに鼻で笑う。
「気をつけろも何も、あたしも同じだよ。不良に間違いないんだから大丈夫。問題を起こす事だけはしないからさ。安心してよ、十一代目」
そう言って安心させるように、口元に笑みを浮かべる。それに健介さんは、呆れ顔でため息をこぼす。
ため息をつかれる理由はないはずなんだが……。
「気をつけてほしいのと、関わらないでほしいんだよ。自分でも分かっているはずだが……」
「自分で正体を明かす、なんてへまはしないよ。あたし、そこまで馬鹿じゃないからね」
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