土曜日~噂~

第8話

「なぁなぁ、お前ら 付き合ってんの?」


朝の あいさつ代わりに 噂話が飛びかっていた。


「どうなん?」


「木曜日 夜、駅のベンチで2人一緒に居たってホント!?」


「はじちゃんエッチィ★」


「山谷カワイイもんなぁ~」


「伊東って結構、女泣かせてきてるんじゃん」



噂ってのはホント「あっ」と言う間に広がるもんである。


「チ、チガウッ!違うよ~」


「普段おとなしい伊東くんが必しになってるのって かなりアヤシくな~い★」


「よっしゃッ!ケータイ チェックだぁ~」


「ダ、ダメだよっ!プライバシーの侵害だ!!」


「ますますアヤシイィィ」


「やめてよッッッ!!!」


僕は大声を張り上げた…




「…山谷さんのコト好きじゃない。…けど嫌いってワケでもない…これでわかったでしょッ!!!付き合ってもないしッ!!!」



クラスが静まり返った…


あゆみちゃん‥ごめん…


  言いすぎたかも…


  否定しすぎたかも…


そのあと…あゆみちゃんの顔は見れなかった…


あの時、僕を見ていたんだろうか…


その夜、『ごめんね』だけのメールを あゆみちゃんに送った…





   返信は無かった…

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