~帰り道~

第7話

僕たちの家は坂を登った高台にある。朝は楽なのだけど、球技大会などあると足取りが重くなることに気付かされた。近くに林があって散歩するにはイイカンジ♪な所だから お気に入りなスペースではあるんだけどね…


 ブロロロロ…

郵便バイクが僕らの脇を走って行く。


「惜しかったよね…」


「かすったんだけど…そのままキャッチャーミットに吸い込まれちゃった…カッコつきゃしない…ね‥」


「そンなこと無いッて☆」

「カッコ良かったと思うよ…私」


「約束は果たしてないけど…願い事ってなに?」


「もういいの…叶ったし」


「なにそれ?わかんないってッ」


「ここでの思い出できたし、もういいの★」


「……」


「じゃ、メアド交換しよっか」


「願い事、気になるなぁ…」


「まっ、いいじゃない☆」

あゆみちゃんは 屈託の無い笑顔で 答えをはぐらかした。


塀の上で猫がジッと僕らを見ていた。

『おめぇ、わかんねーの?マジ?』

と言われてるような気がした。


「ありがとね☆」


あゆみちゃんは走って帰って行った。また 萌え萌えの「ね☆」を残して…

「ありがとう」より「ありがとね」の方が なんかいい♪なぜだろう…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る