第9話

“キセキ――”

透き通るような聞き覚えのある声に、すがるように目線を上げた。


男がにやりと口角を上げたが最後、騙された!と気付いたときには、男から目を逸らせなくなっていた。

金縛りにあったように、身体も動かない。


男が手を出す。

“息子よ…我の手を取れ”

「いっ、いやだ」

“我は魔王ヨドミ”

くいとヨドミが指を動かすと、キセキの手が勝手に動き出した。


――!!




 キセキ


その時、遠くから声が聞こえ、光が差した。

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