第44話
「サナトレそれ」
キセキは魚を指差した。
オリシアも釣りを止め、魚を一匹ずつキセキへ向けて放った。
「…もう少し丁寧に頼む。焼いた時、身が崩れる」
慣れた手付きで魚に枝を通していく。
アスラットも戻ってきて、「何匹釣った?」魚を包んでいた布を広げた。
「16」
こんなもん?とオリシア。
「2」
面倒臭げにキセキ。
ハァとアスラットは溜め息を吐いた。
「9…二桁行かなかった。…粘るにも陽が落ちてきたし。きっと自分の竿じゃなかったからだ…」
ぶつぶつ言いつつ、手だけはキセキと同じように動く。
オリシアは火を点け出した。
可燃性の植物で着火し、マントで風を送り、火を大きくしていく。
「…慣れてるな?豪快だけど」
「まぁそこそこね」
キセキに笑みを返した。
そこに、魚を立てていく。
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