第29話

目を見開いて、モンスターが手を上げるのを見ていた。ヤモイの手は岩をも粉砕し、爪は甲冑を抉る。


もうだめだと思ったとき、影が過った。


人だった。走りながら背中から剣を抜いてモンスターの懐に突っ込んだ。


モンスターが白目を剥いて後ろへ倒れた。

剣は深々とモンスターの胸に刺さっていた。


その人物は、剣を引き抜くと、モンスターの頭と胴体も斬り離した。


格好良いな…


横顔を見てサナトレはぽつり思った。

その顔がゆっくりこちらを向いた。

「平気かい?」

「へ?…あ、はい!ありがとうございます!!」

サナトレは慌ててお辞儀した。

後ろ姿は男のように見えたが、女性だった。

女性は「それはよかった」とにっと笑った。

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