第16話

手を貸す??




そんな疑問を口にする暇もなく、

莉央くんはどこかに電話をかけ始めてて





「あ、もっし〜?いまなにしてんの?

ん?サボり?んな事わかってるつーの。」






「え、りおく」





「しー」




そっと私の唇に指が置かれてニコッと笑う





もしかして、もしかしなくとも

電話の相手って朔くん?






「今から体育なんだけどさ〜来ねぇ?

俺ら担任から脅されててよ

朔がいくら探してもいねぇから場所教えろって


俺らとしても秘密の場所バレたくねぇし、な?」




莉央くんの口は止まらない

す、すごい

朔くんが押されてるのが安易に想像できる




秘密の場所なんてあるんだ

やっぱり凄いなぁ




感心しながらじっと莉央くんを見てる

あ、目があった


人差し指を動かして

小さくで丸を描く






「じゃあまた後でな〜




やったね〜朔も来るって…うぉっ」






「わー!莉央くんありがとう!!

嬉しい!!」







「え、え!?蘭ちゃん!?」




ギュッと強く莉央くんを抱き締める


嬉しい

やっと話が出来る






「ねぇ、蘭にちょっかいかけないでって言ってるじゃん!!」






「ちょっと遥ちゃん!?俺悪くなくない!!?」









私のせいで授業に出なくなってしまった

私なんかのせいで楽しい青春を奪ってしまいたくなかった



だから。凄く嬉しい

それに、朔くんが来るのがわかってて

じっとなんかしちゃいられない





「早く行こう!」






「ちょっ!」








莉央くんの手を引いて教室を出る




後ろを振り返ればお腹を押えて笑いを耐える莉央くんの姿

その後ろから蘭ちゃんも瑠夏くんも着いてきてくれる




雪くんは






「おい!お前らー!!!廊下は走んなよ!!!」






なんて言ってる

ごめんなさい、雪くん

止まることはできません!






「おーい雪ー!!

授業まであと3分もねーぞー!」






「そーだそーだー

走るしかねぇよー」







「なっ!?!?!?!ちょ、ちょっと待てよ!!!」






莉央くんと瑠夏くんに促されて走り出す


みんな楽しそう





「蘭ちゃん、俺ほんとに楽しい」







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初恋の味 りつ @ritu0723

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