第13話

「あっれ〜?蘭ちゃんたちじゃ〜ん

奇遇〜だね〜」






さっきぶり〜なんて体育館の手すりから手を振る莉央くん

いつからいたんだろ

ぎょっとするあたしとは裏腹に遥ちゃんは眉間にシワがよってて






「なに?盗み聞きですか?」






「やーだーもー!そんな悪趣味なんてないよー

たーだー、蘭ちゃんの声がすこーし大きかったかも?」







「聞いてんじゃん」








遥ちゃんが盛大にため息をこぼした

あたしはただ、状況が理解できてない


ど、どうしよう、?

とりあえず、落ち着こう






瑠夏くんの持ってるバスケットボールを見るに体育館でバスケでもしてたのかな

雪くんがいるとこを見ても3人でバスケなんてしないと思うし、…あの人もいるよね、





ちらっと奥の体育館の中を見る

…やっぱり居た

数時間前と変わらない見た目で煙草を手に持ってる





遥ちゃんを見ても莉央くんと言い合いをしていて

瑠夏くんも雪くんも2人を止めるのに必死って感じだ



私は…どうする?





とりあえずさっきのことを謝りたい

遥ちゃんに迷惑をかけないようにそっと階段を上がって彼に近づく




嫌な煙草の匂い

忘れたい過去を思い出す



大丈夫、あの時と今は違うんだから

また大きく深呼吸をする







「ね、ねぇ」






視線が刺さる

綺麗な顔が歪む

すごく嫌そうな顔



私だって、あまり関わりたくない

だけど、悪いのは私だから

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