第12話

「彼女助けなくてよかったのー?」




「火に油注いでどうすんだよ」




「僕もこれが最善策だったと思うよ」






体育館でバスケをしている最中


1日の出来事を思い出して嫌になる

朝から教師に怒られるわ

喧嘩ふっかけられるわ





「ろくなことねー」




スリーポイントラインから曲線を描いてシュートが決まる

瑠夏とハイタッチをするけどもう少し悔しそうにしてほしいよな

能面コンビめ





流石に俺らが悪いけどさ


教師の話は聞くもんじゃねぇって思ってるし

可愛い女の子がいたら声かけるなんて男の本能だろ?





納得いかねー







「八割莉央が悪いことだよそれ


それより、白雪さん面白いね」





「俺も思った


あの詰めようえぐいし

一気に主導権握ってたよな」






雪の言葉で思い出すけど本当に面白い



泣けばいいのに

そしたら瑠夏だって飛び出して行ってたし

俺だって声かけたのに







「朔もそう思うだろ?」






攻守交代してボールを持つ彼に問いかける

流石に女嫌いでもあの会話は聞いてると思うんだよね




でも顔色ひとつ変えない

俺なんて面白くて仕方ないのに





「どうでもいい」






「そう言うと思ったよ

…いっただき♪」






「あー!何してんだよ!」






「ナイス〜」






案の定な反応に自然と笑える

俺はこの4人でいるだけで面白いけど





「気に入っちゃったかも」




「は?」







白雪 蘭ちゃん





見つけた

新しい俺のおもちゃ♪

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