第9話

「あたしですけど」






遥ちゃんが手を上げる

それと同時にコソコソと話す先輩

教室もまた騒がしくなる

うるさい心臓




「遥ちゃん、」





「大丈夫」




また私を背中に隠す


先輩2人がどんどんと近づいてくる

休み時間だから止める先生はいない






「ツラ貸しな」






「拒否権ないから」





遥ちゃんの手が掴まれる

連れて行かれる?

危ない?




嫌な記憶がフラッシュバックする




そんなの




「だめ!絶対ダメ!!!!」





「蘭!!!!!離しな!!」





「いやだ!」





2人の手を引き剥がす

怖い



怖いけど、傷つけたくない





「何こいつ」





睨まれる

それでも手は離さない





「ちょうどいいんじゃない?

一年のくせに化粧してスカートも短いしさ」








「調子に乗るとこうなるよってね」






2人目の人に今度は私が手を掴まれて引っぱられていく



遥ちゃんも心配そうな顔でついてきてくれた

また上手くいかない

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