れもんそーだ

第8話

「蘭眉間にしわー」





「うぅ…突つかないでよー」






私の前の席で笑う遥ちゃん

白雪と櫻井で良かったって心底思うのは私だけかな?

こう言う時に大体前後の席だから本当に嬉しい





「今回も前後嬉しいね」




優しく微笑む姿

私と同じ気持ちでまた嬉しくなった





「入学式疲れたね」





思い出すのは数十分前の出来事

体育館にクラスごとに整列してる所に6組が入場してくるところを見てたけど、結城さん以外居なくて

教師が走って探しに行くところを見た

まあ最後まで出席しなかったみたいだけどね





「瑠夏から怒られちゃった〜とか連絡来たんだけど」





「思ったより破天荒だね」






ふふふなんて笑う

彼女の遥ちゃんは笑えないよなんてため息をこぼしてる






「あのふたりはもう先輩と殴り合いの喧嘩してるみたいよ」





「え!?」






「莉央…くん?だっけ

あの子が3年生に手を出してて、

その彼氏が怒ったとかどうとかって…あっちで噂してる」






遥ちゃんの視線の先にはクラスメイト

この位置からでも聞こえる話はホントなのかもしれない





「でも、本人の口から聞かないと…わかんないのにね」





「だからって、首を突っ込まないこと」








私の気持ちを汲み取りながらもやっぱり意志を通してくれる

かっこいいなぁ

大好きな遥ちゃん






「櫻井 遥ってどの子」







教室の扉が大きな音を立てて開く

緑色のリボン

2年生


知らない人





騒がしかったはずの教室が一気に静かになった

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