第7話

「はぁ、瑠夏の彼女とその子任せるわ」





「うん〜、あ、俺ら6組ね」






「りょー、あ、言い忘れてた

これから関わるかしらねぇけど、

苗字で呼ばれたくねぇから下の名前で呼んでねー




遥ちゃんと蘭ちゃん♪」






またねぇーなんて、2人を引き連れて颯爽とさってく

唖然としたのも束の間

慌てて遥ちゃんに駆け寄る






「ごめん、ごめんね遥ちゃん!!!!」





謝ることしかできなくて自分の悪いところを見て悲しくなる





「大丈夫だから、お願い

蘭は変なことに頭突っ込まないでほしい

こっちは心臓がいくつあっても足りないから




瑠夏はあの人たち追いかけなくていいの?」




優しく頭を撫でてくれる

魔法の手


遥ちゃんからの愛のあるお叱りを受けてこの言葉を胸に刻む

どんな時もあたしを守ってくれる彼女を私は幸せにできるのかな





「どのみち後で合流するよ

白雪さんもだけど、遥も危ないことに頭突っ込んじゃダメ


俺の友達だからよかったけどー」





今度は遥ちゃんがお叱りを受ける

重ね重ね申し訳ない…





「1組まで送るよ…ぶっ」




「蘭、なんて顔してるのよ…ふふ」




一通り話終わった2人があたしの顔を見て笑う

それほど不細工だったかな

でも笑ってくれてよかったとか言ったら怒られるかな












教室まで三人で歩く長い廊下


私たちのいる西校舎の向かい側にある

彼らがいるはずの東校舎はどこか遠くに感じて

また1人悲しくなった




「何かあった?」




優しい遥ちゃんは私を気にしてくれる





「天気いいなって!!」





そんな彼女を不安にしたくない

とびきりの笑顔で応える










初めてだったの…

いちごみるくの飴は、

いつの間にか口の中から消えてしまってて






甘いはずの味は苦い記憶しかなかったこと

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