第5話

蚊帳の外の私たち2人に気付いたのか





「待って、遥、白雪さんに紹介するね〜

えっと、右から」




満面笑みの瑠夏くんが、状況を全く理解してない私たちに丁寧に説明してくれる






金色の髪に黒縁メガネ、片耳を耳にかけてる彼はピアスがたくさん

両手に花くんは





「林檎 莉央だよーん」






「女なら誰でも食うから近づいちゃダメだよ〜?」





「女の子大好きー」





ピースなんて笑ってる

…こんな綺麗な顔なんだから女の人はほうっておかないよね







「えっと次〜」






瑠夏くんの視線の先には、

制服のボタンを上までとめてて、短髪の彼は眉間に皺を寄せてるしっかりくん




  《セツ》

「結城 雪です

好きなタイプは黒髪清楚です」






ビシッなんて効果音がつきそうな勢いで手を上げる





「見ての通りの面白いやつだよ〜」





「おもんねぇよ」






莉央くんと雪くんの言い合いが始まったけど無視して紹介が進む





最後になんていう瑠夏くんの、視線の先には、


黒髪のウルフヘア

両耳にひとつづつのピアスが光ってて

おしゃれに制服を着崩してる

そんな彼は、目は合わせてくれない






「秋月 朔だよ

いいやつなんだけど女の子苦手でさ〜

あんま近づかないであげてね」







無表情な彼の代わりに瑠夏くんが困ったように笑った

それに関して引っかかったのは私と遥ちゃんだけだった






当の本人もそうだけどそれを当たり前かのように何も反応していない

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