第222話

あの日から1ヶ月

約束通り秋は来るのか

もしかしたら、兄貴を連れてきてくれるんじゃないかなんて

キャラに似合わずソワソワする







夕焼けを背に日が落ちてく

今日は綺麗だなんて感じる暇がない






神社の階段を眺めると金髪の男




あれは…秋?

黄緑から色落ちしたのか金髪になってて

身体中絆創膏だらけ




ギョッとしたけど、俺の顔を見て嬉しそうに笑うから

つられて俺も笑顔になっちまったんだ








秋が俺の隣に腰を下ろす

綺麗な横顔を見ながら






体痛くねぇの?


1ヶ月何してた?


兄貴に会えた?





聞きたいことが多すぎてどれから手をつけたらいいのか分からなかった








「そんな顔すんなや!」






「いっ?!」




背中に走る激痛

痛みの原因は秋の一撃な訳で

でもそれのおかげで緊張が解けた







「あのな、お前の兄貴は羅刹の一員や

頭良かったんやろか?

割といい役職ついてたで」







「は、?え?なに?」




緊張が解けたのも束の間

理解ができない

羅刹?役職?

なんだよそれ






「そのために俺は鬼龍に入れてもろた」





「き、りゅう?」





「お前も入らしてもらうぞ

なんならもう決定な!」








俺のポンコツな頭が情報を理解しない






ぽかんとする俺の顔はどれくらい間抜けなんだったんだろう

真剣な話の癖に、秋は笑うのをやめない





秋がわかりやすく説明してくれる







静かに雪が降ってきた

真っ黒な世界を白く輝かせる

俺らの世界を邪魔しないとでもいうように


そんな雪を見ながら俺は静かに話を聞いていた






秋は俺のために暴走族に入ったらしい


だけど簡単に入れるはずもなく、

ボロボロになって、

認めてくれるまで

何回も何十回も勝負を挑みに行ったようだった





俺のせいで、椿が入ったチームの敵が羅刹

今の兄貴の居場所…って

どうすればいいんだよ






「んな、情けない顔すんじゃねぇよ

鬼龍は元々入りたかったんや


後悔なんてしねぇ」





「…」





「あと勘違いすんなよ

おまえの兄貴の為ちゃうぞ





お前のためやぞ、椿!」







「でも、兄貴…敵」





「んなもん、羅刹潰しちまえばこっちのもんや」







俺の横でまた大きく笑う

その姿に嘘はないようで考えるのがアホらしくなる

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