第218話
どれくらい時間が経ったかな
そこら辺にある本を読み漁っても何も面白くない
携帯は通知を見るだけで嫌になって触るのやめたし、
椿だってまた突っ伏して何も話さないし、
出直すのもありだけど、
もう話してくれない気がする
救えるものは救いたい
それでも退屈には変わりは無いし
喉もかわいた
そっと椅子から立ち上がると同時に掴まれる左手
真っ赤な髪の隙間から見える瞳は怪訝そう
「飲み物買いに行くだけだよ」
スルッと彼の右手から抜け出すけどまた掴まれる
さっきよりも握る力は強い
「見つかるだろ」
「あー、こっから近いところって」
「本校舎にしかねーよ」
意味ありげに大きなため息を吐かれ、
有無を言わせずまた座らされる
喉もかわいたけど、隼人達にはまだ会いたくない
だから素直に椿の言うことを従っておいた
座るあたしと入れ違いに椿が席を立つ
「何してるの?」
あたしの質問を無視して
入り口付近に置いているカバンを漁り出した
「カバン持ってきてるんだ」
綺麗な状態のカバンは本当に大事にされているようで、
やっぱり悪い人には見えない
最初から最後まで無視してくるから逆にしつこく声をかけてあげる
「もしかして、数学の教科書持ってるー?」
「…」
「五限目にあるから貸してよー」
「…」
「あの先生問題かかない癖に答え聞いてくるから困るんだよねー」
「…」
「ねー聞いてるー?」
「うっせぇな!!!!!!少しは静かにしろよ!!!!!!」
ドンという大きな音ともに目の前にペットボトルを置かれる
「黙って飲んで予習でもしてろ馬鹿!!」
それと教科書
なんだ、ちゃんと話聞いてんじゃん
ニヤニヤしながら椿の顔を見るけどまた突っ伏しちゃった
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