第212話

「あっぶねぇな!もう少し安全に降りろよ!」




「黙ってないと舌噛み切るよ」





廊下を走って、階段を数段飛ばしに飛び降りて

やっと遠目に2人を見つける



話し合いじゃなかったんだ…

お互いに胸ぐらをつかみあってて、

口から血が出てる2人



普段ならほっといて無視するところなんだけど今はこうもしてられない






「叶斗!秋!」






大声で2人の名前を叫ぶ

あたしの声に反応した2人

ギョッとした顔の叶斗と、キョトン顔の秋







2人の元に着くや否や

椿が秋に吸い寄せられるように近づいていく






「秋さん!仕事増やしてすんません!!」








その手はあたしと繋がれたままだから

必然的に離れられなくて、勢いよく叶斗に突っ込む








「な、ナイスキャッチ、?」





「ちょ、おま、あっぶねぇな!!


首傾げりゃいいと思ってんじゃねーよ!

そのままの勢いで突っ込んでくんじゃねぇよ」






そんなこと言いながらなんか嬉しそうな顔

鼻歌でも歌い出しそうな顔をしたと思ったら次はしかめっ面

その視線の先には椿と繋がれた手


叶斗によって、目にも止まらぬ早さでその手はすぐに引き離されたんだけど

すごい顔で椿を睨んでる


椿は気づいてないみたいだけどね






「あっははは!椿と波流もう仲よぉなったんか!

嬉しいなぁ!」





秋は椿を抱きしめて離さない

椿嬉しそうにするのなんかやめて欲しい







「ちっ、所詮はガキか」






和んだ空気が壊れる

一瞬彼らのことを忘れてた

こめかみには青筋立てて、手にはナイフ





「総長とその上の幹部に泣きつかないとやってけねぇのかよ!!」






近くにある壁を蹴る男

あたし達全力で走ったはずなんだけど

男たちはもう追いついたみたいで

どんどん距離が縮まる







「誰あいつら」






「ん?この前、椿がノシてたやつちゃうかぁ?」






「つーことは、話に出てた裏切りモンだよな?」







叶斗が自然にあたしの前に行くからあいつらの顔はもう見えない

叶斗だけじゃない、秋も椿も前にいる

あたし守られてる

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