探り合い

第207話

食堂のおばちゃんたちが調理する音を遠くに、目の前にいる彼は何度目にしたのか分からないぐらいの大量にテーブルに置かれたプリンをみて歓喜してる









「ほんっま上手いなぁ!このプリン!」






「先にハンバーグ食べなよ」






「交互に食べるから美味いねん!

ほら!波流もひとつやるわ!!」








蕎麦の汁の横にポツンと置かれたプリン

いつもと同じようにあたしにくれる









いつのまにか内容の濃い遠足は終わって、

またいつもの日常が始まっていた






裕が言うにはまだ、あの日以降羅刹は動きを見せないみたい




あたしのとこも…まだ本調子では無いみたいだから






どちらかと言えば平和なのかな





そんな疑問もつかの間

隣の叶斗が震えていて、喉に詰まらせたのか?

水に手を伸ばそうとしたけどそうじゃないみたい



叶斗の視線は秋の隣






「っできねぇ、」




「叶斗?」





「もういい加減我慢できねぇ!!


おい、秋!!!!」





ガタン






静かな空間で鈍い音が響く






叶斗が勢いよく立ち上がった反動で椅子が大きく音を立てて倒れた






「なんや叶斗

お前もこのプリン欲しいんか?



ほやから、あの時買っとけって」








「ちげーよ!!!!

この際はっきり言うけどな



なんでこいつが一緒にいんだよ!」







「あ?何があかんのや

こいつ言うても鬼龍の人間やぞ?



叶斗どないしたんな」







いつものようにへらへらした顔で秋はまたプリンを口に運ぶ

叶斗は納得いかない顔で






「んな事わかってんだよ

けど、俺はこいつの態度が気に入らねぇんだけど」








「態度って、

椿ーお前叶斗になにかしたんかー?」




「いや?なんもしてないっすけど



あ、このプリンすげぇ美味いっす!!

沢山持ってきてるんで、秋さん俺のも食べてくださいね!」






秋が言うように椿は秋が認めた人間なんだよね

だから、悪い人っていう分類では無い



たとえあの時揉めた人間が麒麟だったとしても

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