第205話
叶斗たちの背中が見えなくなるまでみていると聞こえてくる大きな舌打ち
そんな大きな舌打ちをするなんて1人しかいなくて
「くそうるせぇな」
声のした方にはいつまでも続く騒音にイライラが止まらない隼人が案の定いて
眉間には血管が浮き出ている
普段なら話しかけたりしないけど、
「ねぇ、あたしたちが来る前からあんなに騒がしいの?」
あれほど大きな揉め事はあたしだって気になる
「てめぇには関係ねぇよ
おい、永久‼︎
俺はもう耐えらんねぇ‼︎
なにがあったかみてくるけど止めんじゃねーぞ!!」
一方的に話を進めた隼人はあたしを無視して歩いていく
永久も裕もついていく気配が全くない
しょうがない
あたしが隼人の保護者がわりについていくことにした
足が長いから距離を空けて後をおう
それにしても…騒ぎの起きている位置から少し離れているのに怒声、罵声、それに肉同士がぶつかる音が鮮明に聞こえる
すごく盛り上がった喧嘩なのか、喧嘩の起きている中心では人がごった返して進めなさそう
進めば進むほど道が狭くなっていくのは事実だったんだけど
ある1人の横を通った時に状況は変わった
「またあいつの勝ちかよ…あっ!!
おい!!隼人さんが通るぞ位置を開けろ!!」
隼人の存在に気づいた途端に人が離れていく
ドス黒い不機嫌オーラに怖がってるみたい
隼人についてきてラッキーだったかも
「ぶぇ」
鼻に衝撃が走る
痛いんだけど
いつの間にか足を止めていた隼人の背中に鼻がぶつかった
考えながら歩いたあたしは自然と下を向いていたみたい
あたしは足元から視線を変えて隼人の視線の先を追う
隼人の視線の先にはあの赤髪が見えて
「やっぱてめぇかよ」
隼人の声に気づいて目が合った彼は
「椿」
数時間前に裕に見せてもらったあの椿が立っていた
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