第204話
「おい」
「あたしに聞かないで」
絶句した顔の隼人を見て頭を抱えそうになる
裕もなんか笑ってるし、永久に至っては目が合わないし
あたしだって見たくないんだけど
隼人の視線の先には泥汚れた叶斗と秋がいてキョトンとしている
自覚なしなとこがムカつくんだよね
叶斗たちに連れられてきたのは遊園地の中での唯一の広場
今ここには咲蘭高校の生徒しかいないみたい
あたしたちの周りには誰もいなくて、無言のまま時間が過ぎる
しとしと降る雨の中で雨の音に負けないぐらい騒がしい声が突然響く
喧嘩?なんて声が聞こえてきたけど
あたしは首を突っ込まないようにしよう、そう呑気に考えていた
軽い足取りが聞こえてきて
目を向けると可愛い顔の楓
あたしたちの方に手を振りながら近寄ってくる
頭にはタオルが乗せられてて楓も雨に降られたんだ
いつもふわふわな桃色の綿あめのような髪の毛はそこにはなかった
「おかえりー、急な雨は困っちゃうよね〜
あぁぁ!!びしょ濡れじゃんか?!!!
ちょちょっ!タオルタオル!!!!」
髪を拭きながらきた楓は慌ててまた売店まで走っていっててなんか申し訳ない
正直傘を持ちながら走っていても制服は濡れていて少し肌寒い
すぐに戻ってきた楓にタオルで頭をもみくちゃにされる
黒色のタオル尚が幸いなことだったかも
「なんで裕が一緒にいたのいこんなに濡れてるの!!!」
「ほんとだよね、流波ちゃんごめんね」
「叶斗は幼馴染なんだから気にしてないとダメだろ!!!!!!」
「ごもっともです」
「秋はとことんアホだな!!!!!」
「ひどすぎねぇ?!」
「俺間違ってること言ってる???」
「い、いえ」
あたしの頭を拭いてる間ずっと裕と叶斗、秋が怒られてた
最後の方なんて口調変わってるし
なんか可哀想になってきた
わしゃわしゃと髪を拭く手を掴むと楓が不思議そうに顔をのぞきこんできた
「楓ありがとう、もう大丈夫
とりあえず、2人とも着替えてきなよ」
ニコッと笑うと、もー優しいだからなんて言いながら抱きしめてくれる
…いつも距離感がおかしいけどもう慣れた
助け舟を出された2人は輝いた目をして走って売店に駆け込んでった
汚すぎてお店の迷惑にならないといいけど
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