第203話

「波流ちゃんは、椿のこと知らないんだね」







いつの間にか遠くで戯れ合いをしてる2人を眺めていると

‘’いつもの‘’裕が優しい声で話かけてくれる






この学校に来てからのことを思い出してみてまだあったことがない

その意味を込めて小さく頷くと






「またすぐ会えると思うけど」






そう言いながら見せてくれるのは携帯で

画面に映るのは真っ赤な髪の男の子







切長の目にマスクをつけてるけど顔にかすり傷があるのが見えた










「割とケンカ好きだったり、?」







「そうなんだよね

鬼龍の問題児らしいよ」






裕はそう笑って

多分隼人のこと思い出したのかな?




色々としみじみ思い出してみて

やっぱりどこの族にもそういう破天荒な子はいるんだ

あたしのとこも…思い出したくないぐらいの喧嘩好きがいるなぁ

なんてそんな意味を含めてあたしも笑ってみた






「あと椿は」








裕の声が耳に届く前に雨の音でかき消された

小雨だった雨が強くなる






椿の傘がなかったらもうとっくにずぶ濡れになり髪の毛の色が落ちてただろう

そんなことも大事だけど今の口の動きって








「裕もう一回」









言って、その言葉は届かなくて今はもう走り出してた

泥だらけの叶斗に手を引かれ








「雨が強くなってきたからもう戻るぞ!!

裕ももういいだろ!!」









「裕さんも戻りますよ!」











バシャバシャと水溜りを踏みながら走る

叶斗が濡れないようにしてくれてるから頭の中は裕の言った言葉でいっぱいだった

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