第202話
「波流!!!」
大きくてうるさい声が広場に響く
裕とあたしは声がした方に自然と顔が向いてて
視線の先には全力で走ってくるふたりの姿
まぁ、目を瞑ってても誰だかわかる2人組
息切れしながらも、あたしの肩を揺するのは叶斗
手加減なしで強く揺すられて
ちょっと首飛んでいきそう
「お前らなにしてんだよ?!」
「話してただけ.........叶斗痛い」
「あ、ごめん」
叶斗と入れ替わるように大きな影があたしたちを囲む
「雨降ってきてんねんけど、
風邪ひくで?」
そっと傘をさし出す秋
雨って言ってもほんとに小雨なのに
傘をさしてくれるなんて優しいね
でも、ひとつ疑問があるんだけど
秋が持ってる傘
その傘は朝から見てないもので、
どこから持ってきたみたいだった
じっと傘を眺めていたら目に入る小さな文字
きれいな字で持ち主は誠実な人なのかも知んない
「椿・・・?」
誰?そういう意味を含めて口にした
椿なんて聞いたことない名前
しかも、自分の持ち物に名前を書いてるとか
そんな生徒うちの学校じゃ一人もいないんじゃないかな
もしかして彼女だったり、?
嫌でもそんな素振り見た事ないし…
一応聞いてみる
「彼女、?」
「ちげぇよ!!
鬼龍の幹部や!」
間髪入れずに帰ってくる言葉は真実のようで、
彼女じゃ無いみたい
読みが外れて、苦笑いしてると叶斗がため息を吐いて
「秋に彼女なんかできると思ってるのが間違いだぞ」
なんて笑う
秋も煽られて笑って済ますようなタイプじゃないの知ってるから
少しもめた
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