第91話

「あ、あたしは?」







何をしたらいいの?







永久に問いかける






みんなが動いてるのに、あたしはなにもできないの?





「お前は、風呂にはいれ」







いくぞなんて、手を引かれる







「やだ」






これは、麒麟の問題なんだよね







あたしが手を出しちゃダメなんて、そんなのわかってる




でも、




友達が…仲間が傷つくならそんなの許さない






また"あの時"みたいに…






「波流、大丈夫だ」







繋がれた手が強く握られる








「遠藤達に大きな怪我はない」






そっか、よかった






「それに…」






永久があたしの頬を撫でる






「お前に何かあったら、もっと困る」








真剣な目の永久と目が合う





あぁ、今日は永久に助けて貰ってばっかだな…






こんな情けない顔なんてしたらダメだよね






空いた手であたしの頬を叩く





永久は少しびっくりした顔をしてたけどそんなのどうでもいい!





「よーし!露天風呂全部制覇するぞ!!!」






あたしは、永久を追い越して手を引っ張るように温泉に向かった

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