第47話
風が息苦しいくらい強く吹いてまとわりつく。
少し前をいくエイジが立ち止まり空を見上げた。
ハヤテも立ち止まり左手を振ると一瞬ハヤテの周りだけ風が止んだ。がすぐに風はびゅおうとハヤテを囲んだ。
「チッ!」
舌打ちをしてハヤテは歩き出す。
わざと、エイジより数歩後ろを。
病室の前の窓の一部に段ボールが貼られ強化されていた。
ハヤテはすぐにエイジが昨日ヒビを入れた窓だと気付いた。
エイジはそれには目もくれず、病室の前に立ちドアを睨み付けていた。
あれは、夢だ…
俺は寝ていたんだ
それで見た
夢………
知らず知らず心拍数が上がる。
エイジはドアの取っ手に手をかけスライドさせた。
病室に見知った姿はなかった。
間違えたわけでもない。ここは304号室…確かにアヤの病室だ。
しかし、アヤはいなかった。
何事も無かったかのように、ベッドがきれいに整頓されていた。
ただ、段ボールで強化された窓だけが、昨夜のことを雄弁に物語っていた。
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