第48話

夢じゃない…!


茫然となり、取っ手から手が落ちる。

ドアは静かにエイジの視界から病室を消した。


エイジは立ち尽くしていた。


「エイジ」

肩に手が置かれる。声でコウヤだとわかった。

「助けれなかった…」

エイジは右手を見た。ぎゅっと握りしめる。

「俺の、電気ショックでも…っ」


昨夜、エイジは無駄にアヤの胸に拳を落としていた訳ではない。

的確に心臓を狙い、機械よりも強い電力でショックを与えていたのだ。


こんなんで

天使なんて

言えるかよ…!


「兄貴…無力だな、俺たち。俺、こんな役に立たない能力、いらないよ」

俯いたまま深い絶望を含んだ、涙声でエイジはぽつりと言った。


唇を噛み締めて俯いたコウヤの悔しそうな顔を、ハヤテは忘れられない。


エイジはまたゆるゆると歩き出す。

「どこに行くんだ?」

「アヤの家。通夜…」

「場所も知らないのにか?」

「……」

「私が聞いておいた。みんなで行こう」


二人は制服に着替えに戻った。

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