わかれ

第40話

たぶん、アヤは死期を悟っていたのだろう。

だから、その日、病室を出ていくエイジに

「私のクローンは作らないでね…」

突然言ったのだ。

「どうして?」

エイジは振り返った。

「二人、一緒に生きていきたい。クローンで生まれたら、私、エイジより確実に年下だもの……そんなのイヤ」

いつものアヤより強い口調と真剣な顔。

アヤの意志をエイジは受け止めた。

「わかった」

アヤは笑顔に戻ると、明日ね、と小さく手を振った。


今考えると、手を振ったのも、あれが最初で最後だ…。


アヤの母親からアヤの容体が急変したと連絡がきたのは、明日ねと別れた、たった数時間後。


エイジが落とした子機が床にあたるゴツッという音で、ハヤテはリビングのソファから顔を出した。

「どうした?」

「アヤが………」

「おい!?」

エイジは玄関へ走っていた。慌ててハヤテもソファを飛び越え後を追う。

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