天使

第37話

アヤが倒れて以来、エイジは病室まで会いに行った。

「大丈夫よ。またあそこまで行くわ」

「駄目だ。マリちゃんやお母さんに心配かけちゃうだろ。俺がここまでくるよ。家も近いし」

あの何とも言えない恐怖に再び当たったとき、今度はアヤを運べる自信がなかった。

それは言わなかったが。

「そうね…手を繋いで学校行くために、早く治さないとね」

「ぉ、おう…そうだ」

そんなやりとりがあった。


でも、アヤは治らないことを知ってる


初めて出会ったときの会話をよく思い出してみると、エイジが「治る」と言ったあとのアヤの返事が曖昧だった。


あの様子は、自分の病気を知ってるか、なんとなく察しているっぽい……


エイジは無力さを隠して笑った。

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