第34話

服装で見るより華奢な身体で驚いたが、持ち上げて予想以上に軽いので恐くなった。


この体で、今まで?


考えながら競歩程度の速さで歩いた。


なんの病気か聞いたことなかった

聞きたくなかった

だから、聞かずにいた


悲観的になるな!

アヤは治るんだ!


でも、まさか、こんなに……

こうなるのが、恐かった―――


認めざる得なかった。

「ただの貧血だよ」

エイジの心を知ってか知らずか、アヤがか細い声で言った。

何も答えられず、エイジはひたすら歩を進めた。

アヤの言葉とは裏腹に身体から熱が伝わってこないから、ただの貧血じゃないと、気付いていた。


甘かった!

入院するくらいで、しかもそれが長引いてるんだ…


エイジは見ない振りをしていた自分を責めた。

「エイジ…」

「喋んな。体力減る」

アヤがエイジの服を掴んで胸に顔を埋めた。

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