電話

第20話

夜、電話が鳴った。マツトシがちょうど帰った直後にだったので、家にいたユウヤが出た。

「はい、サトミです」

部屋で勉強していたハヤテも走って電話のあるところまで来たが、先を越されたので戻ろうとした。

「ミヤシロアヤさん?」

その名前に足を止める。

「兄さん!アヤは友達!」

思わず言った。ユウヤがハヤテを見た。

「ちょっと待ってくださいね」

保留ボタンを押してハヤテに受話器を譲る。

「あまり長電話はいけないよ?」

「はい」

ハヤテはユウヤの姿が消えるのを見届けてから、保留を解除した。

「もしもし。アヤどうした?」

『今日、行けなくてごめんね』


え!?

――あ!


一瞬ドキリとしたあと、思いついた。……エイジのフリをしよう。

「気にしてないよ」

『そう?』

「本当は、少し残念だったかな」

『…』

「アヤ?」

『ハヤテくんでしょ?』

「違うよ」

『そう?…今日、熱が出ちゃって』

「え、今、電話してて大丈夫なの?」

アヤがくすくす笑う声。

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