第19話

「またね」……ハヤテがいる日はハヤテが言う。

するとアヤは笑って頷くのだ。


それにエイジは毎回ムッとなる。


その日はハヤテがいなかった。

だから、「じゃ」と立ち上がった。

そのまま歩きだせずにいた。アヤのほうも向けないで立ち尽くしていた。



またな…

でも、夢だったら?


そう、いつもそう思ってしまう。

また、などないのでは?と。


夢のように楽しいから、醒めるのが恐かった。


アヤが立ち上がる気配がした。

「エイジ…」

呼ばれて反射的に顔が向いた。

「また、ね。この桧のベンチで会いましょう」

アヤが微笑む。


夢じゃない――


サァァァ――…ッ

と、エイジの周りが色付く音が聞こえた気がして、エイジは周囲を見回した。


風は吹いていないから、音は気のせいだ


でも、視界が眩しい気がする――


エイジは空を仰ぎ見て目を細めた。

「エイジ、どうしたの?」

「ん。な、なんでもない。またな」


次の日、アヤはいなかった。

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